WTR GOURMET COFFEE

 ワタル・グルメコーヒーの定義に関しては、まず大前提として三つの大きな柱が成り立つ。


第一に在来品種
(TIPICA、BOURBON)

第二に在来農法(天日乾燥、布取、完熟手摘、樹上乾燥)

第三に土壌、栽培地気候に関してである。


こうした三つの点は、今までに全世界で生産されている生豆の中から一連の生豆を選択し、市場で流通している豆との差異を比較したことから見つけ出した項目である。これを知るには、商品がどのように生産され、どのように輸出されているかを熟知する必要があり、生産地での膨大な基礎データの集積と比較検討が基礎となっている。嗜好品の枠の中にあるコーヒーは誰が飲んでも美味しいと感じる商品は存在しないが、多くの人から支持される味の傾向は存在する。その味をたどった時にも前述の三点が挙げられてくることから、柱の選択に関して間違っていないと確信している。

 この三つの柱の項目を一件ずつ検証し、グルメコーヒーがグルメコーヒーと呼ばれる訳を探すことにする。

基本的なコーヒーの良し悪しは、甘ずっぱい香りがあり、味に幅がある(にごりは除く)ものほど上級品であり、にごり、渋み、雑味、すっぱ味が強く出ているものや、臭さ(ロブスタ臭を含む)を持つものを下級品と評価している。

また、味、香りに関しては、相関関係が成り立つ為に各ファクター(酸味、甘味、香り等)の強弱によっても可変となり、その点を考慮しながら植物学的見地と官能的見地の二点から立証していくことにする。


 味の評価基準に関しては、上記に記述済みの通り各ファクターを官能検査(ネガティブ、ポジティブ両カップテスト)により強弱分類(多い、少ない)することから始まる。(これはあくまでも最低限のチェックに過ぎない。)

  評価の基準 / 生豆 (外見に関する点)

 COLOUR BLUE-GREEN GREEN
GREEN-WHITE
WHITE
 DEFECT BLACK-BEANS FERMENTED BROKEN UNRIPED
 SCREEN SC-18/19 SC-18 SC-17/18 OTHER
 TOTAL            



  評価の基準 / 焼豆 (外見に関する点)

色/ツヤ
煎りムラ なし あり(少ない) あり(多い)
膨らみ具合(ハゼ)



  評価の基準 / 焼豆 (CUP TEST−味、香りに関する点)

香り   
甘味の質   
甘味の量 なし
酸味の質   
酸味の量 なし
後味   
コク、幅 なし


上記の項目が、一般的に使用されているチェックリストの内容であり、この中で焼豆の10項目(外見+CUP TEST)が左側に寄ったものほど採点として高くなってくる。しかしここからグルメと呼ばれるものを探すことに関してもう一つ重要な項目が存在してくる。それは、香りに関してどのように良い香りか?また、甘味は、どのように良い甘味か?…というように各ファクターの品質が問われてくることに加え、甘味と香り、甘味と酸味という相互的な成り立ちが問われてくることである。また、BRASIL、COLOMBIA、GUATEMALAと産地ごとの各味のファクターも一定していないために、どれが良いかという統一した答えも存在しません。


 在来品種に関して

TIPICA   − JAMAICA BLUE/MTを代表とする品種で、フランス人海兵隊士官ド.クリュー(1687〜1774)が移植したマルチィニークの木を先祖とする品種であり、18世紀の前半に発見されたとされている。

BOURBON  − 中米GUATEMALA、EL−SALVADOR等に特に多く存在する品種で、インド洋上のブルボン島で発見された、TIPICAの突然変異種(ブルボン島には、1715年、フランス東インド会社がモカより移植。)
高温、乾燥には向いていないために、栽培地は限定されてしまう。

コーヒーの木伝播


BOURBON、TIPICAは、上記のようにイエメンのアラビカ種を起源とし、その移植後に移植地で突然変異した純系種である。そのために、味は本来のコーヒーの味を受け継ぎ、ハイブリッド種(掛け合わせ)と比べると、香り、コク、甘味が多くなっている。                           

ハイブリッド種とは、主にロブスタ種との交配であり、ロブスタ種がさび病をはじめとする病害虫に強く、また多収穫できるという性質から、コーヒー生産の歴史から言えば最近になって行われた技術である。しかし、各国の農業担当役所(研究所など)は、こぞって増産対策により在来種からハイブリッド種への植え替えを推奨した。ある国などは、一説に70%〜80%もハイブリッド種となっているといわれており、GNPの低いコーヒー生産国は、コーヒーの輸出が国家の外貨獲得源の大きなウエイトを占めるようになっていることから、ハイブリッド種の割合が増加する傾向にある。 たとえば世界最大の生産地BRASILを例にとれば、大農園にまずスプリンクラーを設置し、旱魃に対しての予防をしている。これは、CERRADOと呼ばれるMINAS−GERAIS州北部へと産地が移り、それまでのMOGIANA(SAO−PAURO州)、PARANA州という産地に比べて土地がやせ、また平坦であるという土地の性質に対して下記のように作業、オペレーションが変貌することとなった。

 

1.   平坦なために機械化が進められた。

2.   平坦であるために独自のアデンサード(密集栽培)が可能となった。

3.   年間の必要経費の試算が可能となり、よりグローバルな経営ができるようになった。

4.   海外の投資、国内の異業種の投資によって、産地、農園の再編成がすすめられた。

 

このように農園の経営方法が変わってくれば、いかに毎年一定の利益が上がりリスクのヘッジが出来るかと言う点が重視され、品質に関しては二の次となってしまう傾向があらわれる。
 また、一定量の収穫量を上げるためには、現在のような在来種では量的にばらつきが出てしまうため、(収穫量に関しては、隔年毎に実が付きやすくなり、多い年と少ない年が出てしまう。)これを回避するために品種改良は必須条件となってしまった。


また現在のBRASILでは、CATUAI、MUNDO−NOVO種が多く栽培され、主品種となっている。
  <しかしCATUAI、MUNDO−NOVOに栽培エリアの違いがでてきている。>


MUNDO―NOVO  :SUMATRA種とRED/BOURBONの自然交配種で、MUNDONOVO−CITYで発見された。
木の高さが3mにも成長し、収穫機の高さ(2.5m)を越すため、毎年木の上部の剪定が必要となる。その為機械化が進んだCERRADOエリアでの生産には向かない。味の特徴は、在来種に近いとされ、BRASILでこの品種が生まれたときに、MUNDO−NOVO(新世界という意味)がつけられた。


CATUAI      :MUNDO−NOVOとCATURRAの交配種で成熟は遅く、収獲量は比較的多い。逆に、木の高さはMUNDO-NOVOよりも低く、機械化された産地には向いている。しかし木の生育期間が約10数年と短く、植付け後13年〜18年(植付け後3年ほどは、収穫量があまりない)で、短期間での植え替えが必要となる。味に関して、MUNDO―NOVOよりフラットでコクに欠ける特徴がある。

在来種 vs ハイブリッド種


 

香り

酸味

味、コク

その他

 

在来種

甘い香りがあり、

香りの量も多い。

一般的に強くなる傾向にあるが、甘味との相乗効果により、甘酸っぱい味を構成する

特にBOURBONは、コクに優れており、TIPICAは、柔らかな中にコクを持った傾向にある。

粒自身に光沢があるものが多く、ロースト後のアピアランスはきれいである。

 

 

ハイブリッド

香りにロブスタ種の臭いが混入しているものがあり、香りの量も少なくなる。

一般的に薄くなる傾向にあるが、濁った様な酸味  (醗酵したものとは違う)が出やすい。

味はフラットになり、薄くなる。雑味などが混じり濃く感じる場合もある。(雑味はコクと評価しない。)

ローストすると大きく膨れるものが多く、見栄えはする。しかし火力が強くなれが、芯から焦げてしまう。

 

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