コーヒーの基礎知識


コーヒーの基礎知識
味覚の5要素
コーヒー生産国による生豆の格付け


コーヒーの基礎知識
  1. コーヒーはアカネ科の常緑樹で、生育可能地域は南北緯度25度迄の熱帯、亜熱帯地方のコーヒーベルト或いはコーヒーゾーンと呼ばれる所です。 
  2. コーヒーの生育条件は、平均気温18〜24度で、気温の年較差の少ないところが良く、但し、一日の気温較差は大きい方が良質な豆が収穫出来ます。また、年間雨量が1600〜2000mmあり、十分な日照があることが望ましい。 
  3. コーヒーの木は、植付けて3年目でジャスミンのような香りがする白色の花が咲きます。又、コーヒー豆の実は、2個1組になっているものをフラット・ビーンズと言い、1個だけのものをピーベリーと言います。 
  4. コーヒーに含まれているカフェイン(ドイツのRUNGE ルンゲにより発見された)が、人体に及ぼす良い影響は
    • 利尿(新陳代謝を良くする)3時間程度持続する。
    • 解毒(麻酔中毒、呼吸や血管中枢の麻痺に用いられる。また、基礎代謝を良くすることからタバコのニコチンの毒性を抑え、タールの吸収を悪くすると言われている)
    • 脳髄細胞(中枢神経)刺激により集中力増進・体の動きを良くし、体が緊張し眠気を抑制する。
    • 活腸・消化促進/胃液の分泌を高め消化を助ける(食後のコーヒーは良い)
    • エネルギー消費と脂肪分解を促進する働きによりダイエット効果が期待できる。
    • コーヒー1杯で2時間程の血流をよくする(低血圧の人には活動的にする/高血圧の人に悪いかと言うと、そうでなく、毛細血管の拡張作用で末端の血管を開かせて血流を良くし、血圧を下げる働きも期待できる。
      又、マラソン選手の筋肉疲労をやわらげる(体内代謝を活発にして、血液中に酸素を十分供給し、必要な栄養物質を体の隅々に素早く供給することが必要)
    • 1988年6月、日本動脈硬化学会では、動脈硬化を予防する善玉コレステロールを増加させる(善玉コレステロールといわれる高密度リポタンパクHDLは、コーヒーの飲用とともに増加した)
    • 二日酔(アルコールがアセトアルデヒドという代謝物に変わってからもなかなか酸化せず、神経を刺激し続ける/アセトアルデヒドを早く酸化し酢酸にして、炭酸と水に分解すれば二日酔いが減少する)カフェインは肝臓や腎臓の働きを活発にしアセトアルデヒドを早く分解する作用が認められる。
    カフェインは有害な副作用とその蓄積がなく、常用しても害を引き起こさない、と言われています。
    カフェインはアラビカ種には約1%、ロブスタ種には約2%、インスタントコーヒーには約3〜6%含まれている。
    カフェインの濃度は、焙煎によって豆の水分が減少すると、一旦は高くなるが、178度で昇華作用を起こす性質があるので焙煎中に焙煎機の内壁や回転スクリューに晶出する。
    焙煎温度が高ければそれだけ晶出分も増える勘定で、カップに入ってくるカフェインが少なくなる。従って、深炒りした豆の外見は黒っぽく、何となくカフェイン量が多いように思えますが、実際は少ないことになります。
    1970年代にガンとの係わりが報告されましたが、1985年以降の研究では大規模な研究にも拘わらず、乳ガン、膀胱ガンを含めたガンの発生とコーヒーの飲用に相関関係は見出されていません。
    コーヒーの成分中特に多い(インスタントコーヒーを5%入れた飼料を2年間与えた)クロロゲン酸なる物質をハムスターの餌に加え飼育した実験ではガンの発生は殆どなかった。
     
  5. コーヒーの種類
    大きく分類しますと(アラビカ、ロブスタ、リベリカ)の3種類。
    アラビカ種の中には、ティピカ、ブルボン、カツーラ等があり、それぞれの変種、交配種にマラゴジーペ、ブラジルのムンドノーボ、カツアイ、イカツ、コロンビアのバリエダ・コロンビア等があります。
     
  6. 精製方法
    ウオッシュドとアン・ウオッシュド(ナチュラル)の2種類に、最近はブラジルで増加しつつあるセミ・ウオッシュドがあります。
    • 収穫した果実から外皮、果肉、内果皮、種皮などを除去し、商品価値を持つ豆に仕上る工程を精製と言う。
    • この精製には大別してウオッシュド(水洗式)とアン・ウオッシュド(非水洗式)がありますが、水洗式の豆は、スコールの多い気象条件の見返りとして豊富な水量を利用した処理方法で、豆がきれいに仕上がる特徴を持つ
    • 一方非水洗式は自然乾燥にすることが多く、天候の影響を受け易いが、甘味が増し円熟した味のコーヒーとなる。
    • また、セミ・ウオッシュドは赤実とその他を分別するのが主目的で水を利用します。


  7. 規格(味は関係なく、見かけだけによる格付け)
    • 精製された豆は格付けを行い輸出用麻袋に詰められる。
    • 格付けは国によって異なり、粒の大きさによりスプレモ、EXと分けるコロンビアと、欠点豆の混入率によって♯2〜♯8と分けるブラジル、収穫された標高によりSHB、EPWと分けるグアテマラが代表的です。



味覚の5要素(甘味、酸、苦味、塩味、うま味)

  • 一般的に標高の高い産地で収穫された豆は酸味が強く、低地の豆は弱く感じる。
  • 煎り豆に含まれるタンニン(3〜5%)が最大原因である苦みは、上質な物は後から甘味を感じる。これは緑茶と同様である。
  • 生豆に含まれる糖分が焙煎中の熱作用によりカラメル化し、コーヒー液の甘味となります。
  • コーヒーには(塩味)は殆どない。
  • 焙煎中にタンパク質の一部がアミノ酸となりうま味が形成される。一般的に煎り豆の1.2〜2%のエキス分がコーヒー液に抽出される。


450gのコーヒー粉末に含まれている全ての抽出可能物資を抽出し、残ったものを最初の状態まで乾かすと、コーヒー粉末は約310gしかなく、約140gの物質が溶け出したことになります。このことから最大約30%が抽出可能となるわけですが、全てが望ましい物質ばかりではありません。このコーヒー粉末から望ましいコーヒーの要素となる成分を抽出するために時間を定めるべきです。抽出可能である140gの内、82〜100g程度に押さえることが重要。時間が長くなりすぎると、悪い要素まで出しきってしまうことになります。


  味の大別

 この場合の味とは、あくまでもコーヒー抽出液での味を指しますが、臭いは、コーヒー抽出液の味に比例します。例えば生豆において土の臭いカビの臭いがすれば、コーヒー抽出液にも土の味やカビの味が出ます。

感覚的分類では、次の様になります。

a)酸味 酸味は舌で感じても口腔に残りにくいのが特徴
b)すっぱ味  日本人が最も混同しているのがすっぱ味と酸味の区別の曖昧さです

すっぱ味は後々まで口腔に残り刺激的であるのが特徴。
時間の経過と共に成分、とりわけ脂肪の変化と醗酵の味など複合の味が現れてきます。

c)古い味 油臭い味と感じることが多い。刺激的
d)渋味  舌の尖端部がマヒしたような感じになる。
e)醗酵の味   水洗式の豆に多く出る腐ったような味。
f)カビの味 乾燥度合が異なった豆が混入されたり、湿度の高い場所、水気に触れた場合にはカビ臭と共に味に出ます。
g)土の味  乾操式の豆に出る味で、土そのものの混入もあり得ます。
h)汚れ、ほこりの味 乾燥式の豆に多く出る味で、麻袋の汚れ等によって豆に臭気が移り味としてでる場合もあります。
i)青(豆)味  生臭く未成熟の味

           

味は一つだけが際立って出る場合と複合してでる場合があり、それを感じとるのは練習と個人差です。

*悪い味
 1.すっぱ味(後まで残る  2.醗酵味(トイレのような臭い)
 3.ヨードの味(こんぶ、のり)  4.土の味
 5.カビの味  6.青い味
 7.汚れた味  8.雨、霜に打たれた味  
 9.葉の味 10.ユーカリの味(油)
11.水っぽい味 12.古い味

 
*生豆の臭いの分類

1.カビの臭  2.リオ臭 3.醗酵臭 4.土の臭
5.青味の臭  6.古い臭 7.汚れ、ホコリの臭 8.木、葉の臭
9.油の臭 10.コーヒー外の臭(麻袋の臭等も入ります)


コーヒーの規格

 コーヒーの規格には、大きく2つのものがある。1つは産地が持つ国際的な規格で、一般的に取引されている商品名となるケースが多い。また、もう一方は、ユーザーや、バイヤーまたは一部のセラーが独自に決めた規格(スペック)である。後者は、原則的に必要な味の要素をブレンド等によって作り上げたり、粒のサイズを指定したりする点を指し、ユーザーが好む規格化を組み上げられている。WTRグルメコーヒー規格は、こうしたユーザーからのリクエストと、産地のリサーチを繰り返していく間に蓄積されたデータを基にして世界中の最高品質と呼ばれる産地の中から、さらに選び抜いている。これまでの‘見かけ’‘味’というものに加え、品種、精製、乾燥、土壌という、本来の植物学的見地からコーヒーを見直し、消費者が納得できる1杯を飲んでいただけるように規格化されたものである。



コーヒー生産国による生豆の格付け


<ブラジル>

 1.グレード(欠点数方式) ♯2〜♯8 (輸出規格下限は)

 2.味覚  @ストリクトリーソフト Aソフト Bハード Cリオイ Dリオフレーバー
 3.スクリーン(粒の大きさ) 20、19、18、17、16、15、14、P、(13、12)

   *19とは1インチ(25.4o)の19/64  7.54oのスクリーンを通った生豆

<コロンビア>
 *スクリーン (粒の大きさ)  EX(エクセルソ)(U.G.Q)  14/16

 SUP(スプレモ)

 17〜


<グアテマラ>
 *高度により分類 SHB(STRICTLY HARD BEAN) 1,400m以上
HB(HARD BEAN)

1,200〜1,400m

SH(SEMI HARD BEAN) 1,050〜1,200m
EPW(EXTRA PRIME WASHED)   900〜1,050m
PW(PRIME WASHED)   750〜900m


<メキシコ>  
 *高度によリ分類 AL(ALTURA)

1,300m以上 

PL(PRIMA LAVADO) 900〜1,300m
BL(BUEN LAVADO) 750〜900m


    
             

<ホンジュラス>
 *高度により分類 SHG(STRICTLY HIGH GROWN) 1,200m以上
HG(HIGH GROWN) 900〜1,200m
STD(STANDARD) 600〜900m


<コスタリカ> 
 *高度により分類 HB(STRICTLY HARD BEAN) 1,200〜1,600m
GHB(GOOD HARD BEAN) 1,000〜1,200m
HB(HARD BEAN)   800〜1,000m
MHB(MEDIUM HARD BEAN)   500〜800m

 

<サルバドル>
 *高度により分類 SHG(STRICTLY HIGH GROWN) 1,200〜1,500m
HG (HIGH GROWN)   900〜1,200m
CS(CENTRAL STANDARD)   450〜900m

  
   

<ペルー>

 1.グレード (欠点数方式)+選別方法(機械、電子選別機、ハンドピック) 

    MC、MCM、ES、ESHP

 2.スクリーン(粒の大きさ) 20、19、18、17、16、15、14

 

エチオピア>

 1.グレード(欠点数方式) ♯1〜♯5ですが実質2〜

 2.産地別(ハラール、ウォレガ、シダモ、ジマ)

 

<イエメン>

 *産地別

 

<タンザニア>

 *スクリーン(粒の大きさ)

   AA(6.76o以上)、A、AB、B、C、E、

 

<インドネシア

 *グレード (欠点数方式)♯1〜♯6

 *精選方法(水洗式、自然乾燥式+研磨)


<キューバ>
 *スクリーン(粒の大きさ)+欠点数方式
スクリーンサイズ 欠点数
 CM(CRYSTAL MOUNTAIN) 18/19 
 ETL(EXTRA TURQUINO LAVADO) 18 12
 TL(TURQUINO LAVADO) 17 19
 AL(ALTURA) 16 22
 MONTANA 15 24
 CUMBRE 14 29
 SERRANO SUPERIOR  15/16  60
 *TURQUINOとはキューバ東部にある山の名前

 
<ジャマイカ

・COFFEE INDUSTRY BOARD(コーヒー産業公社)が定めるジャマイカコーヒーの規格基準は次の通りです。

BLUE MOUNTIAN COFFEE

 コーヒー産業法が定めるブルーマウンテン地区で生産されるコーヒー。芳醇な香りと優れ
 た酸味、甘みを有し、こくがあって欠点のない味。外見は均一なブルーグリーン色を呈する。


*Blue Mountain #1
 スクリーン17/18中心でそれ以下の豆の最大混入率4%(エレファントを含まない)。
 最大欠点数2%(夾雑物、黒豆、醗酵豆を含まない)。

*Blue Mountain #2
 スクリーン16中心でそれ以下の豆の最大混入率4%(エレファントを含まない)。
 最大欠点数2%(夾雑物、黒豆、醗酵豆を含まない)。

*Blue Mountain #3
 スクリーン15中心でそれ以下の豆の最大混入率4%(エレファントを含まない)。
 最大欠点数2%(夾雑物、黒豆、醗酵豆を含まない)。

*Blue Mountain Peaberry
 丸い一つの種子でスクリーン10以上。
 それ以下の豆の最大混入率4%(エレファントを含まない)。
 
最大欠点数2%(夾雑物、黒豆、醗酵豆を含まない)。


*Blue Mountain Triage

 ブルーマウンテンコーヒーの2等品。豆の大きさは#1、#2、#3が混在しており、
 外見に若干欠点のある比重の軽い豆、ただしカップは良好。

 最大欠点数4%(夾雑物、黒豆、醗酵豆を含まない)。

Blue Mountain Triage Peaberry
 ブルーマウンテン・ピーベリーで外見に多少欠点のある豆。ただしカップは良好。
 最大欠点数は4%(夾雑物、黒豆、醗酵豆を含まない)。


HIGH MOUNTAIN SUPREME

指定されたブルーマウンテン地区以外の高地で取れる大粒のコーヒー。豊な香りと優れた
酸味を有し、こくがあって欠点のない味。外見は均一なブルーグリーン或いはグリーン。

スクリーン17/18中心でそれ以下の豆の最大混入率4%(エレファントを含まない)。
最大欠点数2%(夾雑物、黒豆、醗酵豆を含まない)。

High Mountain Supreme Peaberry

 丸い一つの種子で豆の大きさはスクリーン10以上。それ以下の豆の最大混入比率4%
 (エレファントを含まない)。

 最大欠点数2%(夾雑物、黒豆、醗酵豆を含まない)。



JAMAICA PRIME

指定されたブルーマウンテン地区以外でとれる肉厚の豆。良好な酸味と香りを有し、こく
があって欠点のない味。外見は均一なグリーンまたはグリーニッシュ。

スクリーン17/18中心でそれ以下の豆の最大混入率4%(エレファントを含まない)。
最大欠点数2%(夾雑物、黒豆、醗酵豆を含まない)。

Jamaica Prime Peaberry
 丸い一つ種子でスクリーン10以上。それ以下の豆の最大混入率4%(エレファントを
 含まない)。
最大欠点数2%(夾雑物、黒豆、醗酵豆を含まない)。



JAMAICA SELECT

スクリーン15/16/17/18中心でそれ以下の豆の最大混入率4%(エレファントを含ま
ない)。外見に僅かな欠点がある色褪せた豆だが、良好で欠点のない味。最大欠点数4%
(夾雑物、黒豆、醗酵豆を含まない)。

注:豆の縁に次のような徴候が見られても欠点豆とは見なさない。

a)豆食い虫による僅かな被害(一つか二つの穿孔)

b)微かに割れた豆または傷がついた豆

c)僅かに色褪せた豆

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